日本中の喧嘩自慢、肝の据わったアウトロー、俺のところに集まれや!
「格闘王」前田日明がとんでもない格闘技イベントを開催する。
全国から腕に覚えのある不良たちを集めて、
いきなりリングに上げて試合をさせてしまおうという総合格闘技のアマチュア大会。
その名も『THE OUTSIDER(ジ・アウトサイダー)』だ。
開催日は3月30日(ディファ有明)。
出場資格は16〜35歳でプロの試合経験が3試合以下の者。
まったく格闘技経験がなくてもOKだ。新日本プロレスからUWFを経て、リングスを
設立し、現在はHERO'Sのスーパーバイザー。日本に総合格闘技の礎を築いた前田が、
この大会で目指すものとは? たっぷりと話を聞いた。
――まずは、『THE OUTSIDER』(以下、アウトサイダー)のテーマを教えてください。
前田 青少年の育成ですよ。
――は? どういうことでしょう。
前田 日本てね、機会が均等じゃないんですよ。
海外には、どうしようもない不良や一度道を踏み外してしまったヤツでも、
ファイターとして更生している選手がいっぱいいる。
日本は皆無でしょ。儒教的な社会道徳が根底にあるからか、
“傷もん”“汚れもん”にはチャンスがないのが現実なんだ。
――なるほど。世の中から不良のレッテルを貼られてしまった連中に、格闘技という更生の
道を与えようというわけですね。
前田 今の日本は社会の大人全体が、子どもを育てる忍耐力がないんだ。
やれ18歳で成人させるとか、14歳から刑務所に入れるなんて、
子どもと向き合うことから逃げているとしか
思えない。昔は親も教師もうるさいぐらいに子どもにつきまとって、
身体を張って分からせた。
それが教育・育成なんですよ。本当は。
――大人の怠慢で不良になってしまったヤツらを導くのも、大人の責任だと。
前田 不良だけじゃなく、イジメ、ひきこもり、ニート、大人が自分のことしか
考えていないから、子どもたちは路頭に迷っている。
だからといって俺は政治家じゃないし、全員を救うことは
できないんだけど、格闘技の素質があるのに舞台に立つ方法を知らないヤツ、
どんな過去があってもリング上の闘いで身を立てたいと思っているヤツには、
力を貸してやろうと思ったんですよ。
――ただ、現役の不良が出場すれば、もれなく仲間もついてくるでしょうから、
リング以上に会場がやばい雰囲気になるんじゃないですか? 乱闘とか、暴動とか……。
前田 アウトサイダーをやるヒントにもなった「天下一武闘会」って大会があってさ。
北九州の不良が一堂に会するって感じなんだけど、
試合も客席もきちんとルールを守るんだよ。もともと
不良って仲間内の秩序は絶対だし、納得すれば礼儀正しいからね。
――ストレートなんですね。闘い方も、感情の出し方も。
前田 しかも、不良の世界でトップを取るヤツらって、
リングに立ったときの存在感が違うんだ。
華がある。カリスマを持ってるヤツが多い。なんか、こう人を惹きつけるわけ。
――それはプロ向きなんじゃないですか。
前田 そう。プロの格闘家を育てるときに困るのは、
強いんだけど華のない選手。
それだけは指導者がいくら頑張っても教えることができないんだ。
持って生まれたもの、もしくはリングに
上がる前にどういう生き方をしてきたかで培われるものなんでね。
――ということは、アウトサイダーにはプロ選手の発掘という側面もあるんですね。
前田 もちろん。不良を集めてストレス発散に喧嘩させるわけじゃない(笑)。
これからの格闘技界を引っ張っていくような選手を見つけたい。
可能性は大きいと思うんだ。
――目に留まった選手は、前田さんが面倒を見るということですか?
前田 才能のあるヤツにはどんどんチャンスを与えますよ。
マンツーマンで技術的な指導もするし、
プロとしてHERO'Sや再旗揚げするリングスに上げることもできる。
日本では和彫りの刺青が入っているとテレビに映れないから、
プロとして活躍するのは難しいんだけど、そういうヤツは海外に
プロモートしてやればいい。
母国では試合できない刺青日本人ファイターが外国で大活躍するのも、
おもしろいじゃないですか。
そういえば、去年くらいからずっとこの話をしてましたねー。テレビでながせれるんでしょうか?