「禁断」の「金的」攻めで、「金メダリスト」石井の看板に傷がついた。
2R残り約30秒、ロープ際でもつれ合っていた吉田の急所に、石井の左ひざが直撃する。もんどり打って
倒れた吉田は、大の字になったまま起き上がれず、苦しそうに金的を守る黄色のファウルカップを放り投げた。
ハプニングとはいえ、プロらしからぬ場面に、会場からは失笑が起こった。
1R開始早々、石井はワンツーを出して攻めかかった。ところが、その後は初陣の経験不足を露呈。
攻め手がなく防戦に回った。吉田の右ストレートで体勢を崩して両手をリングにつけると、続けざまに
左ひざ蹴りを顔面に浴び、鼻が赤く染まり、鮮血も滴り落ちた。
試合後、石井は会見場に姿を見せず、顔面にダメージを受けたこともあり、大事を取って病院へ向かった。
石井のマネジメント会社関係者は「精神的なダメージが大きいため、ノーコメントにしてください」とした。
デビューまでの1年2カ月の準備期間で、肉体改造に取り組んだ。肉食中心から魚中心のメニューへ。
体重は柔道時代の110キロから6キロ減の104キロへ引き締まった。体調管理、栄養補助のサプリメントを求め
、
多いときは月に40万円の大金を遣うこともあった。
海外武者修行でハプニングにも見舞われた。昨年3月から5月まで滞在したブラジル・アマゾン川河口近くの
パラー州ベレンでマラリアに感染。高熱で数日間ダウンした。6月から1カ月間過ごしたラスベガスでは、
ホテルからジムへ向かうタクシーの中で、ドライバーから金銭を要求される危険にもさらされた。
初体験の連続で、トレーニングも試行錯誤した。
石井は戦極と2年間で複数試合を行う契約を結んでいるが、今春以降、団体の運営は不透明。
戦極は団体名を「SRC」と変更し、3月7日に東京・両国国技館で第1回大会を行う予定だが、
それ以降は未定。その後、どこのリングが戦場になるか、見えてこない。
UFCを含む海外の団体からオファーがあった場合、出場できる条件を取り付けているため、
日本で闘う舞台がなければ、海を越える可能性もある。迷える金メダリストが、荒れる航海に船出した。
うーん、これは厳しいか・・・?